- コラム
K・I 笑顔通信 No.34「歯並びは遺伝するの?」
2025年1月10日(金)
新年明けましておめでとうございます。
昨年は多くの患者さまにご来院いただき感謝申し上げます。
2025年を健康な歯でスタートさせるために、
些細なことでも何か気になることがあればお気軽にご相談ください☆
本年も宜しくお願いいたします(^ ^)
さて、新年最初の笑顔通信は「歯並びの遺伝について」です!
ぜひご覧ください。
歯並びは遺伝するの?
お子さんの歯並び相談をよく受けます。お父さんが連れてこられると「家内の歯並びが悪くて…」、
お母さんが来られると「夫の歯並びがガタガタで…」と言われたりします、 がどちらにしても「…遺伝なのかな」と感じられてはい
るようです。 「遺伝」は複雑で解りにくい、しかも最近急速に研究が進んで、
私たち素人にはなかなか近寄りにくい分野ですね。 そこで、ざっくりとした捉え方で考えてみましょう。
私たちの体は70%が親からもらった遺伝で、残り30%が生まれてから後の環境できていると言われて います。この7:3の割合は特定の研究から出てきたもではなく、これまでの様々な調査・研究から得ら れた大まかな概念です。例えば両親の背が高ければ一般的に子供も背が高くなるだろう、と思われても そうじゃない子もいますよね。歯科矯正の分野で考えると、お父さんもお母さんも歯並びがバッチリ きれいなのに子供はガタガタな歯並びになることがあります。
これには遺伝的(先天的)な原因も環境的(後天的)な原因も考えられます。実は、歯を作る遺伝子と顎を作る遺伝子は別々で、互いに関係なく作られます。お父さんは大きな顎に大きな歯できれいな歯並び、お母さんは小さな顎に小さな歯できれいな歯並び。しかし、子供がお父さんの大きな歯とお母さんの小さな顎を遺伝すると、歯は押し合いへし合いして重なり合った歯並びになるでしょう。 また、両親共に歯と顎のバランスが良くてきれいな歯並びで、子供が両親からその遺伝子をもらったとします。でも生まれた後の生活習慣、食べ物、事故や病気などで上記のような30%の成長が顎に十分に起きず、その子の歯と顎のバランスが崩れて歯並びが悪くなる可能性もあります。
次に噛み合わせについて考えてみます。 ヒトは噛み合わせた時に、上の前歯が下の前歯の前に来て噛み合います。これが正常な噛み合わせです。 ところが下の前歯が上の前歯の前に来て噛み合うパターンの方もいます。これは反対咬合といい、俗に「受け口」と呼ばれています。 この受け口にも遺伝子が原因になっているタイプがあります。この受け口遺伝子は力が弱く劣勢遺伝子と 呼ばれて両親のどちらか片方がこの遺伝子を持っていても、その子の噛み合わせは受け口にはなりません。見かけ上は正常で、噛み合わせ遺伝子の半分は受け口遺伝子で、「隠れ受け口」という存在になります。隠れ受け口同士が結婚すると両方の受け口遺伝子が揃って力が強くなり、4分の1の確率で受け口の子供が生まれて来ます。 受け口だけでなく他の不正咬合も遺伝と環境が複雑に絡み合っているため、 成長の余裕がまだ十分にある小学校低学年のうちに詳しい検査を受けて対応しましょう。