- コラム
K・I 笑顔通信 No.32「健康な長生きを手にいれる」
2024年11月8日(金)
みなさま、こんにちは!
富士山の初冠雪が、今までの観測史上もっとも遅かったというニュースをご覧になったでしょうか?
日々環境や社会の変化が起こっている中で、医療も確実に進化をしています。
今回のK・I笑顔通信のコラムは「8020運動の後に来るもの 健康な長生きを手にいれる」です。
進化をし続ける社会・医療を通し、病気になってから治すという選択ではなく、
病気になる前に予防していく選択ができるということをお伝えできればと思っています。
ぜひご覧ください。
8020運動の後に来るもの「健康な長生き」を手にいれる
いま日本歯科医師会がすすめている「80歳で自分の歯を20本残そう」という運動が
とても良い成果をあげつつあって、中でもしっかり噛める奥歯が私たちの健康、
特に歳をとってからの人生に大きく影響していることは前号の笑顔通信で
当院長の近藤がお伝えしたとおりです。
日本には医療皆保険制度があって、病気の治療や乳幼児の死亡率の低下、平均寿命の伸びに
大きく貢献してきました。ところが高齢者が増えて、高齢者は若年者の何倍もの医療費を
使います。膨れ上がる医療費を抑えるために国は「病気の治療」から「病気の予防」に
医療政策の舵をきりました。「8020運動」もその一環なのです。
すると、80歳までに5本も8本10本も歯が無くなった人はどうなるんだ!です。
歯がなくなって残りの歯が少なくなると、心臓・血管系疾患、脳卒中など全身疾患の死亡リ
スクを増加させるという事実が多数報告されています。
これには2つの理由が考えられています。
一つ目に、 歯周病やう蝕(むし歯)で歯が失われ、同時に低レベルではあっても繰り返し
起こる敗血症(病巣から出た細菌が血液に乗って全身をまわる)で心血管系疾患や
代謝疾患につながることで死亡リスクが上がります。
二つ目に、歯がなくなると食べにくくなって食べ物の嗜好や種類が変わって低栄養、
あるいは過栄養になり、その結果全身の病気につながります。
では、どうすれば良いのでしょうか。
一言で言えば、「口の中の健康な状態を回復させる。そしてそれを維持する。」ことです。
1 今ある歯と歯を維持するための歯周組織を健全に保つ努力をする。
歯周病があればきちんと治療する。う蝕(むし歯)についても同じです。
2 失った歯があればそれをブリッジ、インプラント、義歯などで修復して
「機能歯数(機能をいとなむ歯)」を増やす。
8020運動では自分自身の歯をカウントしますが、機能歯数では修復した歯、使える歯も
カウントします。
この「機能歯数」はとても大切な考えで大阪歯科大学の前川教授は「全身疾患にかかるよ
り機能歯数が少ない方が死亡リスクがたかい」という研究結果を発表されています。
噛める歯が少ない人は死亡リスクが高くなるということになりそうです。
歯は私たちの命の根本部分を支える大切な役目をしているのですね!
11月7日と11月8日はいいな、いい歯の日です。
ぜひ、この機会に皆さんもご自身のお口の中とこれから先の人生に
じっくりと向き合ってみてください(^^)