- コラム
K・I笑顔通信 No.20「大丈夫!先生、ちゃんとカルシウム飲ませています」
2023年6月3日(土)
みなさん、こんにちは!
あっという間に梅雨に移り変わり、暑かったり肌寒かったり…
まだまだ体調管理に気をつけながら、6月も楽しんで過ごしていきたいですね(^ ^)
今回のK・I笑顔通信は「アゴの骨」についてです。
今の私たちのアゴが出来た由来やアゴの成長に必要なポイントなど紹介しております。
どうぞ続きをご覧ください♬
『大丈夫!先生、ちゃんとカルシウム飲ませています』
私が受ける歯並びや噛み合わせ相談の中で一番多いのは叢生(1本1本の歯が押し合いへし合いし凸凹したり、ねじれたり、乱雑に生えている歯並び、俗に乱杭歯と呼ばれています)という歯並びです。
アジア系、特に日本人に多いですね。
叢生はアゴの骨と歯の大きさが合っていないことが根本的な原因です。
歯が大きすぎたり、アゴが小さすぎたりすると叢生になります。
ですから、叢生治療の基本は入れ物(アゴ)を大きくするか、中身(歯)を小さくするか少なくして、 そのバランスを取り直すことです。
実際の治療では他にもいろいろな要素が入ってきて、そう簡単ではないのですが…。
アゴと歯はとても密接な関係にありながら意外なことに、歯は歯、アゴはアゴと別々に作られます。
歯が大きいからとアゴがもっと成長したり、歯が小さめだからとアゴが成長を控えたりすることは ありません。
これは歯とアゴが別々の遺伝子によって作られているからです。
私たち人間がまだお魚だった数億年前のこと、その魚の身に危険が迫った時にそれを知らせる警報装置が体の表面にあったのですが、その装置が口の中に入って歯に変化しました。
歯はその警報装置の遺伝子で作られます。
一方、アゴは、これも魚が陸に上がって生活をし始めた頃までさかのぼります。
魚は陸に上がるとエラが要らなくなります。そこで、このエラを硬く頑丈にしてアゴを変化させ 歯を支えるようになりました。
国立科学博物館の馬場先生によると、ヒトは進化すると共にアゴの骨が小さくなっているのだそうです。
ところが、これまでお話ししてきたように歯の方は一緒に小さくなっていきませんから叢生はますます増えることになりそうです。
先日の歯並び相談の時にも「お嬢さんのアゴ、ちょっと小さいなぁ…」と言ったら、お母さんから 「先生大丈夫です。毎日カルシウム飲ませています!」と元気のいい返事が返ってきました。
…残念です。カルシウムだけでは骨はできません。
カルシウムの他にリン、タンパク質、ビタミン、ホルモンなど多くの原料が必要です。
そしてもう一つ必要なものがあります。
原料が100%そろっていてもそれがないと骨は作られない… それは「ちから」です。
骨は体の形や筋肉が発達する力を支えるために作られます。アゴの骨は歯を支え、ぐっと噛む時に それに耐えることで丈夫に大きくなります。
上記の馬場先生発案の、この栄養成分と「ちから」が同時に手に入る面白いレシピをご紹介します!
・・アジの開きの素揚げ・・