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2026.01.05

K・I笑顔通信 No.41 「知っておきたい 歯科の金属アレルギー」

新年、明けましておめでとうございます。
昨年は多くの患者さまにご来院いただき、心より感謝申し上げます。
本年も、皆さまが安心して通っていただける歯科医院を目指し、スタッフ一同努めてまいります。

さて、新年最初の笑顔通信のコラムは、『歯科の金属アレルギー』についてです。
お口の中に使用されている金属が原因で、知らないうちに体の不調につながることもあります。
「もしかして…?」と感じたことがある方に、少しでも参考になれば幸いです。
ぜひご覧ください。

 

 

知っておきたい 『歯科の金属アレルギー』

金属アレルギーはお口のなかでも起こります
「歯の治療に使われている金属が、体の不調と関係しているかもしれない」

そんな話を聞いたことはありますか?金属アレルギーというと、ピアスやネックレスによるかぶれを思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし実は、お口の中にある歯科金属が原因となることもあることが、歯科・皮膚科の分野で知られています。金属アレルギーは、金属が体内でイオン化し、免疫反応を起こすことで発症する「遅延型アレルギー」です。

症状がすぐに出るとは限らず、治療から数か月〜数年経ってから現れることもあります。

金属アレルギーの症状:局所と全身

金属アレルギーの症状は、大きく二つに分けられます。

一つは局所症状です。口の中の粘膜が赤くなる、ヒリヒリする、口腔扁平苔癬などが挙げられます。

もう一つは全身症状で、手足の湿疹やかゆみ、原因不明の皮膚炎など、お口とは離れた場所に症状が出ることがあります。歯科金属の場合、唾液中で溶け出した金属イオンが体内に取り込まれるため、全身症状として現れるケースが多いのも特徴です。

歯科治療で使われる金属とその背景

歯科治療では、詰め物や被せ物、入れ歯、矯正装置などに金属が使われてきました。代表的なものには、ニッケル、パラジウム、クロム、コバルトなどがあります。中でもニッケルは金属アレルギーの原因として比較的多いことが報告されています。

日本では「保険診療」という世界的にも特異な制度により、コストを抑えつつ多くの方に安定した治療を提供する目的で金銀パラジウム合金が広く使われてきました。しかし、国際的に見ると金銀パラジウム合金の使用は極めて限定的で、日本固有の制度的背景が、国内における金属アレルギーの発生状況を特徴づける一因となっているとも考えられています。

歯科金属は体に悪いの?
一般的に歯科金属は安全性が確認された材料ですが、お口の中では唾液や日々の飲食物や温度変化など過酷な環境下にさらされるため、劣化が早く、経年的に金属が溶け出します。それにより人によっては金属アレルギーが発症してしまいます。

歯科で用いる金属は、ニッケル、銀、銅などを主成分とする100円玉とほとんど変わりありません。

お口の中に金属の詰め物や被せ物を入れるということは、100円玉をずっと舐め続けているようなものです。それを想像するといかがでしょうか…。

 

気になる症状がある方へ
金属アレルギーが心配な方、原因不明の皮膚症状が続いている方は、歯科と皮膚科が連携して原因を調べることが大切です。金属アレルギーの診断には、皮膚科で検査できるパッチテストが有用です。

近年では、金属を使用せずセラミックやレジンなどによる「メタルフリー治療」という選択肢もあります。これは、金属アレルギーのリスクを回避する一つの方法ですが、皮膚症状には様々な原因があるため、すべての症状が必ず改善するわけではありません。噛み合わせや耐久性、治療部位によっては金属の方が適している場合もあります。

大切なのは、「金属を使わないこと」そのものではなく、お口の状態や全身の健康を総合的に考えた治療を選ぶことです。正しい知識をもとに、一人ひとりに合った治療方法を一緒に考えていきましょう。